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SDGs コラム

ユニバーサルファッションリメイクで
「誰もが自由に好きなファッションを
楽しめる世界」を

2023.05.30

ユニバーサルファッションという言葉をご存じでしょうか。

ユニバーサルという言葉には、「すべてのものに共通する、普遍的な」という意味があり、ユニバーサルファションは年齢・性別・サイズ・体形・障がいなどに関係なく、すべての人が楽しめるようなファッションを指します。 日本でも1990年代中頃から使われるようになりましたが、まだ浸透していないのが現状です。

リフォームスタジオは、衣類のリメイクでユニバーサルファッションを実現したいと考えています。 本記事では、ユニバーサルファッションとは何か、なぜ弊社がユニバーサルファッションを広めたいのか、ユニバーサルファッションを広めることによって、どのような世界を目指しているのかをご紹介します。

ユニバーサルファッションとは

ユニバーサルファッションとは、「すべての人が公平に」というユニバーサルデザインの考え方を取り入れたファッションのことを指します。
ユニバーサルデザインとは何か、日本のユニバーサルファッションの取り組みについて、ご説明します。

ユニバーサルデザインが生まれた背景と日本の取り組み

ユニバーサルデザインは、1980年代にアメリカで生まれたといわれています。
幼い頃の病気で車いす生活をしていたアメリカのロナルド・メイス教授は、「バリアフリーは障がい者や高齢者のためのものと考えられがちだが、実際はそうではなく多くの人の役に立っている。それなら最初から、誰に対してもわかりやすく、誰に対しても公平なものを作ろう」と考えます。
そうした考えのもと提唱されたのが「ユニバーサルデザイン」なのです。

日本にこの考えが入ってきたのは1990年以降です。 2017年(平成29年)2月には、東京オリンピック、パラリンピック開催に向け、「ユニバーサルデザイン2020行動計画」が作られました。(※1)

ユニバーサルデザインの街づくりを目指すだけでなく、心のバリアフリーを大きな指針として掲げた「ユニバーサルデザイン行動計画」。障がいは、個人の心身機能の障がいと社会的障壁の相互作用によって創り出されているとし、国民全体で社会的障壁を取り除くことが必要だとしています。

ユニバーサルファッションの役割と日本の取り組み

ユニバーサルデザインの「誰に対しても公平」という考えを取り入れたのが、「ユニバーサルファッション」です。

ファッションを公平に楽しむ、そんな当たり前の市場から置き去りになっていたのが、障がい者や高齢者でした。肩が上がりにくい、足が動かないなど、何かしらの不自由を抱えている人は、既製服を着ることも難しいのが現状です。また、着たい服があっても、デザイン的に着づらいため、あきらめるという方もいます。

そうした障壁を取り除き、誰もがファッションを楽しめる公平な世の中にしようというのが、ユニバーサルファッションの役割です。

日本でもさまざまな人々が「ユニバーサルファッション」の必要性を認識し、さまざまな活動を行ってきました。

福祉技術研究所の岩波君代氏は、長年、高齢者や障がい者の衣服や靴の研究、開発をされています。また、リフォームスタジオのユニバーサルファッションの取り組みについても、アドバイザーとしてご尽力いただきました。岩波氏と協力して培った技術を生かし、リフォームスタジオでは「障がい者向けの洋服お直し無料相談会」も実施しています。 その他、国立障害者リハビリセンターと国立職業リハビリセンターの文化祭「リハ並木祭」での展示やファッションショーへの衣装提供なども行ってきました。

神戸芸術工科大学の見寺貞子教授は、「どんな状況でも、どんな人でも、生きがいや喜びを感じられるファッションを提案したい」と高齢者や障がい者のファッションを研究され、本の執筆なども行われています。

最近は、各地で「ユニバーサルファッションショー」が開催されるなど、日本でもユニバーサルファッションの考え方や具体的な取り組みが徐々に広がっています。

リフォームスタジオが実現した、ユニバーサルファッションリメイク3つの事例

リフォームスタジオでは、年齢・性別・サイズ・体形・障がいに関係なく、すべての方々に「好きな服・着たい服」を着ておしゃれを楽しんでもらえるようなリメイクを行い、ユニバーサルファッションを実現しています。 これまでの事例を3つご紹介します。

【事例1】車いすの方がきれいに見えるスカート

既製品のスカートは、通常「立って着た状態で美しく見えること」を想定して作られています。そこで車いすの方向けに、座った姿勢で洋服がもっともきれいに見えるよう、スカートの前側の丈を長くしました。

【事例2】肩が上がりにくい方も着やすいジャケット

年齢を重ねるなどして肩が上がりにくくなると、ジャケットは着づらくなります。しかし、ジャケットの後ろ中心にコンシールファスナーを付け開くようにすれば、肩が上がりにくい方も着やすいジャケットに仕上げることができます。

【事例3】脳性まひのお子さまのスタイに見えない洋服

脳性まひの小さなお子さまはよだれが多く、ご家族は、スタイをこまめに取り換えなくてはいけないという悩みをお持ちでした。そこで、裏地に撥水(はっすい)加工の布を施し、長時間取り換えなくても服によだれが染みないように工夫するとともに、一見スタイに見えないかわいいデザインの洋服にアレンジしました。

いずれも、ちょっとしたリメイクで今までガマンしていたことが解消できたり、思ってもいなかったファッションが楽しめるようになったりと、大変喜んでいただいています。

リフォームスタジオが実現したいのは、誰もが自由にファッションを楽しめる世界

リフォームスタジオは、以下のような理由でファッションをあきらめていた方々に寄り添いたいと考えています。
・介助してもらっている立場だからと、デザイン性より機能性を優先した服を着ていた。
・年齢を重ね体の自由がききづらく、お気に入りの服が着られなくなるのは仕方のないことだと思っていた。
・おしゃれをして外出したいが、お手洗いが不安で、外出を控えていた。
・介護が必要な方が着たい既製服を着られるようお手伝いしたいとは思っているものの、着替えのお手伝いが難しい。

こうした思いは、リメイクで解決できます。

実際にユニバーサルファッションリメイクを体験し、笑顔になるお客さまを見て感じたのは、「ファッションを楽しむことは心を豊かにすることなのだ」ということ。ファッションの世界こそ、誰もが平等にあるべきです。 リフォームスタジオは、誰もが自由にファッションを楽しめる世界を、ユニバーサルファッションリメイクによって実現したいと考えています。

最後に

これまでは、ファッションの楽しみを味わいたいけれど、味わうことができなかった方たちがいました。
でもそれは、仕方のないことでも当たり前のことでも、ありません。
今ある服も、リメイクひとつで「ユニバーサルファッション」に生まれ変わらせることができるのです。

衣類をリメイクすることは、今あるものの価値を高めたり、新しい価値を吹き込んだりすることです。
それはファッションを楽しむだけでなく、一着の洋服を大切に長く楽しむことにつながるため、洋服の廃棄削減にもつながります。
ユニバーサルファッションリメイクは、人々を笑顔にするだけでなく、世界共通の課題であるSDGsの目標の解決にも役立つのです。

リフォームスタジオは「ユニバーサルファッションリメイク」を進めていますが、いずれは個性に合わせたお直しが当たり前になることを願っています。
「ユニバーサルファッション」をことさら区別せず、リフォームやリペア、リメイクが当たり前の社会になることを目指しています。

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